TBSは「千葉-浦和」戦で、何を伝えられたのか?

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今更ながらだが、浦和戦のTBSの中継(地上波)が酷かった。

あの日のフクアリの空気を伝えようと言う意図など無く、ただ“こうすれば浦和サポのウケが良いだろうとTBSが勝手に妄想した”誰も望んでいない浦和側よりの放送だった。

この中継については、千葉・浦和問わず、多くのサポーターのブログでも同じように批判的な感想が書かれていたのを目にした。
あまりに極端に制作側の趣向を取り入れた放送は、もはや「スポーツ中継」ですらない。いっそのこと「TBSは浦和レッズを応援しています」と、最初に触れてくれた方が、まだ気持ちよく観られるくらいだ。
まして、試合中にCMを入れて、得点シーンを逃すなど論外。

TBSは、ボクシング世界戦の「内藤-亀田」戦の時に、あまりに亀田よりの中継を行って大きな批判を世間から受けたが、一向に改めるつもりは無いらしい。
そうする事が、視聴率や、TBS社の利益に通じると誤解しているのだろう。

今では少なくなった地上波でのサッカー中継。
あの日のフクアリの雰囲気を、ありのままに伝えていたなら、きっともっとサッカーをスタジアムで見たいと言う人が増えただろうと思うと残念だし、惜しい。ジェフも、レッズも、それぞれのサポーターが気持ちの入った応援をしていたし、選手達もそれに応えるだけの熱のこもったプレーをしていた。

選手のプレーを、両チームのスタンドを同じように映し、マイクも真ん中に置いておけばそれだけで良かったんじゃないか。
後は、スタジアムの空気が、どんな実況よりも雄弁に、この試合の面白さを伝えてくれただろう。

サッカーファンが観たいのは、“スタジアムに行けなかった”サッカーファンが感じたいのは、スタジアムの生の空気のはず。爽快感も、悔しさも、スポーツだけが伝えられる、筋書きの無さ故だろう。
よりそれらを引き立たせる演出が多少はあっても構わないが、過度な作為は全く不要だ。

この中継の視聴率は3.4%だったらしいが、あの放送を観て、もう一度TBSの中継を見たいと思うだろうか?きっと、この先の試合での視聴率にも良い影響は無いだろう。あの放送で、あの日のフクアリの何を伝えられたと言うのだろうか。
伝わったのは、「何もわかってないな、TBS」と言う不快感だけだった。
自分は、あんな放送なら二度と観たいとは思わない。余計なバイアスのかからない放送があるのなら、たとえ有料であっても、それを観る。