90分間攻め抜いて勝て -第5節・磐田戦プレビュー-

NO IMAGE

山形戦、現地観戦した仲間から、これまでの戦いと同じ感想が返って来た。
「戦術以前の問題」
「頑張ってボールを奪うんだけど、すぐボールを取られる」
「攻撃のアイデアが無い」

不甲斐無い戦い振りに、とうとう現地ではブーイングも出たようだ。

迎える今週末の磐田戦。
早くも正念場、裏天王山とみているサポーターも多い。

不満が高まっているのは、勝てていない現状以上に、試合内容の悪さだろう。
仮に四連敗していても、内容が悪くなければ・・・自ら主導権を奪って、攻め込む形が見えていれば、「こう言うサッカーをする」と言う「形」が見えつつあるのなら、もう少し我慢も続くのだろう。

「攻撃の創造」からチームを作ったオシム監督。
「守備の構築」からチームを作ったミラー監督。

もし仮に、その結果として出来上がるチームが同じサッカーをするとしても、そのチーム作りの過程で逆風に晒されるのは、ミラー監督のやり方だろう。
観客の目線からすれば、引きまくって完封か1失点に守った事を成長とするよりは、負けたとしても、リスクを犯して狙った攻撃の形で2・3点を奪えた方が、まだ試合を観に行った爽快感は残るだろうから。


磐田戦、まだあまりチケットはさばけていないらしい。
昨年の秋から続いていた、「バブル」が終わりつつあるように思う。
昨年、あれだけの観客がスタジアムに駆けつけたのは、逆境を跳ね返そうとするチームの戦いぶりに共感したからだった。

「苦しい状況の中で、あれだけ出来たのだから、準備万端の今季はもっとやってくれるはず。」

そう言う期待感をもって、サポーターはスタジアムに足を運んだ。

サッカーは相手チームがあること。
勝つ時も、負ける時もある。
けれど、「自分達のサッカー」を突き詰められているかどうかは、常に問う事が出来る。

サポーターが求めているのは、相手に合わせて守りに回る事じゃない。
たとえ相手が強かろうと、勇敢に戦う姿のはず。
今季は、まだそう言う試合をジェフは見せられていない。

だから磐田戦では、そんな落胆の声を吹き飛ばすようなゲームを、選手自身がサポーターに見せ付ける責任がある。それが出来ないのならば、これから先、黄色く染まらなかったスタンドの茶色い空席が、勝ち点以上に選手に、監督に、スタッフに、重く突き刺さる事になってしまうだろう。


では、どういう戦いを期待するか。
これまでの戦いで、最も戦えていたのはナビスコの柏戦。それをベースに考えたい。特に、新居と谷澤の2トップは、相性も良く可能性を見せていた。

--谷澤--新居--
----ミシェウ----
アレックス------中後
----大輔----
良太------坂本
--エド--池田--
----櫛野----

今のジェフには、2つの不完全な攻撃パターンがある。
一つは巻を狙うクロス。これは、クロス自体がほとんど上がらず、精度も低いまま。当てにならない。もう一つが、新居らの機動力・スピードを活かして裏を狙うやり方。

この2つのどちらかを選ぶなら、無理に巻を先発させて、クロスを入れるのか、それとも裏を狙うのかを不明確にするよりも、今は「裏を狙う」意図をハッキリさせた方が効果的に攻められると思う。バックアップも、深井や孝太が居る。
磐田のDF陣は、元ジェフの茶野と元ヴェルディの那須。スピードを活かした方が、結果を出せそうだ。

2トップに加え、ミシェウ、中後、アレックスがポジションチェンジを行いながら攻めれば、的を絞らせずにシュートシーンも生まれて来るはず・・・。
交代枠には、深井・工藤。状況に応じて、米倉・巻。

守備では、一人気を吐いているジウシーニョには、池田をつけ、DFラインはエドが高く保つ。サイドバックは、攻められないのなら、せめてラインを高く。その為にも、一つ前に居る大さんの負担は大きいが、やれるところまで踏ん張ってもらうしかない。

この先発でのデメリットは、セットプレーの守備時の「高さ」。
ただ、磐田と言うチームは、さほど長身選手が居る訳でもないので、気にし過ぎる必要は無いかもしれない。

磐田戦は、色々なものが懸かった試合になる。
それは相手も同じだろうが、舞台は、ホーム・フクアリだ。

勝利した上で、今後に期待を持たせる攻撃の質を見せつけて欲しい。
選手は、戦う義務が、監督は、選手を走らせ、戦わせる義務がある。
試合後、走りきって、足をつり、誰一人立ち上がれないような、そう言う全力を尽くした試合を期待する。フクアリに足を運ぶだけの価値がある試合が出来るチームなのだと、サポーターに意地を見せ付けて欲しい。