晃樹の居る姉崎

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久々の練習見学。
10時過ぎに姉崎に到着すると、既に選手達はグラウンドでストレッチ。

怪我もあってか、何人かの姿が見えなかったが、反対に意外な人物の姿も。
水野晃樹。一人だけ、MIZUNOの白の上下の練習着なので目についてしまう。この日は、普通に練習に混じってメニューをフルメニューをこなしていた。本人は体作りの為に流している感じだったが、相変わらず基本技術や、スペースへの動き出しが上手い。
この面子の中で練習すると、一人だけ上手いなぁと感じてしまうあたり、晃樹が今ここでプレーする意味は、彼自身にとってはあまり無いと思えてしまった。もう少し、欧州で名前を轟かせてから、またジェフのユニフォームに袖を通してもらいたいものだ。

さて、練習は和やかなムードで進んでいく。
軽いジョグとストレッチから、サイドに展開したボールのシュート練習、そしてハーフコートの11対11の間に、シュート練習を挟んでの2時間。ミニゲームは、人数が足りないので、江尻コーチなどスタッフが混じって人数あわせを行う。

練習全体を見ていて感じたのは、局面を想定した、ディフェンスのプレッシャーをかけた形での練習が少ないなということ。
サイドからクロスを上げるにしても、ドフリーの状態から中に上げる。当然、ノープレッシャーなら、ドンピシャのクロスを上げろよと思うのだが、サイドの選手に出すボールの精度が悪かったり、中に上げるクロスも、シュートもイマイチでなかなか決まらない。
ノープレッシャーで合わないシーンが続くのは、ちょっと宜しくない。

ミニゲームでもそれは同じで、ボールを持ってからパスの出しどころを探すシーンが多く、なかなかスムーズにボールが回らない。
対照的に、パスにしても、パスを受ける前の動きにしても、晃樹の動き出しの良さが良い。周りがワンテンポ以上遅く感じる。切り替えの遅さは、ずっと課題であるだけに、オートマティックにボールを誰かが奪った後の切り替えを各選手が出来るようにして欲しいのだが・・・残念ながら、この日の練習からは改善に繋がるような意図は感じ取れなかった。
晃樹の動きの質の違いを、皆が個々に感じ取ってくれれば良いのだけれども。。。

ミニゲームで他に良かったのは、中後のサイドチェンジ。
逆サイドのフリーの選手を見つけ出し、ピタリとそこに合わせる技術がいい。
中後が動けると、ピッチが広くなる感じがする。

他の選手やチーム全体は、試合日の動きと比べて「いつも通り」。
何も変わって無いのだから、劇的に何かが変わることも無いのだろうが、とりたてて何かが変わったり良くなった事も無く、最近のジェフの「いつも通り」っぽい練習が続いていく。
6月にしては暑い空の下、時折ミニゲームを止め、細かい指示を出すミラー監督。チームの空気は良く、笑顔もあり、厳しさもある。ここのところ出番の少ない、タツや中後も精力的に練習に取り組んでいる。
選手を入れ替えながらゲームは続き、時間通り12時に練習は終わった。

素人の考えなのだけれども。
空気の良さとは裏腹に、練習の内容に普段のゲームで感じてる課題の克服を意図したメニューが欲しいなとも思ってしまった。かつてのオシム監督時代や、ベルデニック監督の時代、同じサイドからクロスを上げてシュートと言う練習でも、必ず守備の選手を入れて、サイドにボールが出る過程、1対1を作る過程を作って練習を行っていた。

その練習の中で、勝負の姿勢や判断力が養われ、「局面」の連携が深まり、試合の中でも使えるプレーが身についていたように思う。
けれど、ほとんどノープレッシャーでの練習は、実際にはあり得ない場面。既に、そう言うプレッシャーのある中でも十分にプレーできる選手がやる練習なのではないだろうか。

今日、この日の2時間の練習だけの話ではあるのだけど、これが毎回の練習も仮にそうだったら。なかなか課題が克服されないのも、分からなくも無いと言う気がした。

明日オフになった練習量のことも、ほとんど練習試合が無いことも。
他のチームに比べて、あらゆる面で劣るジェフが、「俺たちは練習量や質じゃ何処にも負けない」と胸を張れない、そして実際に結果を残せない原因なのではないか。今一度の厳しさが、このチームには必要なのではないか。

そう思えたこの日の練習ではあった。
再開後初戦の名古屋は、オフもほとんど無しでがっつりキャンプ中。別にキャンプをしろと言うわけではないが、格上のチームに練習量で負けていて、勝機はあるのだろうか。

さて、素人の戯言はさておき。

練習後、ピッチの外周を、益山と一緒に周る坂本。
相変わらずの面倒見の良さ。

同じように岡本たちキーパー陣がランニングをする脇を、16号側からの駐車場から、練習を終えた奥山や乾・高田らリザのメンバーが荷物を抱えて帰ってきた。

人が少なくなったピッチには、晃樹が息子を連れ出して皆にお披露目していた。
息子さん、晃樹似か?なかなかの面構えの良さ。これまた父親似の、浩平のトコの2人の姿も。ジェフも気が早い「次の世代」が続々といった感じでした。

ショップで、UNITEDを購入。
「あとここも、もう少し。色んな人が寂しがってくれるんですよ。」
「新しい練習場は、サポーターの皆さんが休めるところもありますからね。」とスタッフ。

色んな事もあった姉崎も後わずかの日々。
狭いだ、芝がすぐ悪くなるとか、文句も言ったけど。このピッチからたくさんの選手が育ったし、ナビスコのタイトルも、このピッチからだった。ハングリーさが、このピッチにはある。蘇我に移るまでの残りの日々。残留争いに耐え抜き、その先を目指す、逞しい選手達を育てて欲しいものだ。

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