既視感

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マリノスが、主力選手の戦力外通告に揺れている。
サポーターの抗議やら、署名活動、「○○選手だけが特別なのか」と言った声、様々な反応を目にしていると、昔の自分を見ているような既視感がある。まだ、うちのBBSに当時のカキコミが残っているが、永輔の残留署名活動をした当時とまるで同じような事が起こっている。

翻ってジェフ。永輔の戦力外から、7年経つ。

色々あったけれど、ジェフは未だに、自分の理想とは程遠い。
毎年のように起こる一貫性の無い人事で、かさぶたを剥されるように、それは思い知らされる。

サポと、フロントの考え方は、それぞれの立場があるのだから、100%交わる事は無い。

でも、その方向性を同じ向きにしていく方法はあるはずだ。
そして、サポとフロントが同じ方向を向けているクラブは強い。

「彼を知り己を知れば百戦危うからず」

例えば鹿島。

一貫したブラジル人監督の起用と、4-4-2システムの継承。
しっかりとした鹿島のスタイルを作る事で、そこに適合する人材を少数精鋭で集め、無駄な雇用と解雇を行わず、人を育て、人心をクラブに繋ぎとめる。

例えば山形。

金銭的には恵まれていなくても、その事を理解した上で、長期的な視野に立って監督を選び計画を立てる。毎年少しずつでも戦力の上積みを行い、その積み重ねが、より良い選手がクラブに集まる強みになっていく。背伸びはしないが、身の丈を分かっている分、大崩れしない手堅さがある。

サッカークラブに限らず一般企業でもそうだろうが、端から見ていてもゴタゴタが見えてしまうクラブには、選手も監督も進んで入団しようとは思わないだろう。よほど、大金が貰えるならば別だろうが。

「人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵なり。」

サッカークラブが、他クラブとの競争に勝利しようと考えた場合、そのクラブが一貫性をもっているかどうかは、本当に重要な要素だと思う。

クラブのスタイルがハッキリしていれば、選手も監督も、そのクラブを選びやすい。
スタイルを持っているクラブは、「人心掌握」が出来、強いクラブとなる資格を持ち、それが出来ないクラブは、衰退する。

その部分でジェフは決定的に物足りなく、18年もの年月を経ても「人心掌握」は出来ず、人材はクラブを離れるばかりで「芯」が通らない。

「ジェフとは、こういうクラブ」だと胸を張って言えるようになって貰いたいものだ。

正直、急に強くなって、いきなり優勝するなんては思った事もない。

いつかJ1で優勝はしたいとは思いながらも、足元を固め、地味でもしっかり努力して、一歩ずつ前に進んで成長する。その過程を応援出来る。そういうクラブである事を望んでいるだけだ。

「信頼」とは重い言葉だ。

「実」が伴わなければ、簡単に、容易に崩れてしまう。
聞こえの良い言葉で何かをウヤムヤにして、問題を先送りにしていては、何も前に進まない。

目先の成績よりも、大事なものが一貫性だ。

クラブに一貫性があれば、「方針の変化」による、不合理な解雇も少なくなるだろうし、誰かがクラブを離れる時にも、理解するための尺度が生じる。

今季、何が残念だったかと問われれば、J2に残留してしまった事よりも、またもクラブの考え方がブレた事だと答える。もし、クラブの首脳陣と話せる機会があれば、今年こそは、首脳陣が何を問題と捉え、どう取り組むつもりなのかを質したい。

その答えが、昨年のように表面的なものばかりなのであれば、サポの目線で「問題と原因はここだ」と、これまで綴って来たことを強く伝えたい。そう思っている。