大岩一貴、卒業祝いの2発　第5節・徳島ヴォルティス戦

試合前は、この日先発した新10番・レジナルドの話題で持ちきりだったけれども。
終わってみれば、ヒーローは、ルーキーの大岩だった。

昇格のライバルとなるだろう徳島を、ホームで3-0で叩く快勝。
その立役者が、ルーキーとなれば、サポにとってはたまらない。
何年も、何年も、
本当に待ちわびた、  ルーキーの活躍。
今後に向けて、弾みのつく一勝になったのではないだろうか。

勇人の怪我と、レジナルドの登録完了で、スタメンは少々変わった。

－－－－藤田－－－－
深井－－兵働－－レジ 
－－健太郎－大介－－
武田－－－－－－大岩
－－－智－－竹内－－
－－－－岡本－－－－

勇人の代わりに大介。
レジは、佑昌に代わって右での先発となった。

対する徳島は、トップに昨年まで札幌に居たジオゴが君臨。
他にも補強された戦力が多数。その中には、先発した福元の姿も。
監督は、元山形の小林監督と、昇格に向け万全の体制だった。
ここまで２失点のみと、守備も安定している。

ゲームが始まると、すぐに徳島のコーナーキック。
相性の良いジェフをここで叩いておこうという気合満点の立ち上がり。
前回のホームゲーム、横浜のようにはいかない、要所要所の厳しさがある。

注目が集まったレジナウドだったものの、相手も警戒している上、連携はまだまだ。
動きは重たそうで、最初から「別格」と言う強烈なインパクトは無かった。
ただ、それは、時間の経過と共に印象を変えていく事になる。

序盤は一進一退。
ジェフは、右の大岩、左の武田の位置取りが高く、サイドを活かした攻めでリズムを作る。
前回目立ちまくりだった兵働さん。序盤は黒子に徹し、兵働さんの日では無いのかと、思っていたら。

唐突に来た先制点。
藤田がボールをセンターサークル近くで落とすと、すぐ隣の兵働へ。迷わず、前に走りこんだ深井にスルー。
まだ距離はあったものの、思い切りの良い強烈なシュートが、榎本達也の手を弾いて、ポストをガガンと叩きながら、先制点。さすが、フクアリの深井。今日も今日とてやってくれる。

先制点はとったものの、横浜戦のようにシュートの雨あられとはならない。
けれど、シュートの本数はさほど多くは無いものの、とにかくSBのポジションが高い。
そして大岩が、何か吹っ切れたように、ゴリゴリとドリブルで攻め上がる。 
レジとのコンビも良好で、レジが溜めて、大岩が大外を抉る。
ん？何年か前に、こんなシーンをよく見たような。

その大岩のクロスからの藤田のシュートは決まらず。惜しい。ちょっとゴールから遠くなっている。

多くは無いチャンスの中で、巡って来た31分。
大介のCKから、今度は大岩がヘディングでなんと初ゴール！序盤からの勢いのままに、結果を出してしまった。
若手は良い意味でノってしまうと怖い。大岩は、これで完全にゲームの空気を掴んでしまった。

前半は、そのまま2-0で終了。
理想的な展開。だけれども、2点差は怖い点差。後半がどうなるか。

その後半。2-0で勝っている事もあってか、あまりペースアップはせず。
しかし、その中で徐々にレジナウドが「力」の片鱗を見せる。

まず、何よりもプレーが正確。預けておけば、安心感がある。
地味だけど、しっかりとボールを追う。時間と共に、段々と余裕が出てきたのか、2～3人のディフェンスを引きつけたままに、うまく切り返してパスを出してみたり。榎本のエリア外ハンドっぽいプレーで潰されたけれど、機を見て飛び出したり、惜しいシュートを放ったり。

なんとなく、エジウソンや、エメルソンのようなプレーヤーを勝手にイメージしてたから、そうではなかったけれど。
これは、居てくれると凄くチームとして助かるプレーヤーかも知れない。
地味で堅実。そして、ゲームを作れる力がある。

レジのファーストインプレッションは、好印象だった。
きっと、「違い」を見せてくれる、キーマンになるだろう。

さて、いくつかのチャンスは作るものの試合は、2-0のままに進む。

69分、ジェフは藤田に代えて、負傷がようやく癒えたオーロイを投入。
その後すぐに、レジ→佑昌になったので、4分間だけだったものの、いきなり、レジとトーレの2枚同時起用が実現する。

オーロイは、木山戦術に適応したのか、以前よりボールをよく追っかけるようになっていたものの、ポストプレーの上手さは藤田が上回り、なかなかゲームの中での居所を見つけにくい時間帯が続く。
なかなかその長身を活かしたプレーは出来ず、この日は慣らし運転に近い動きだった。

そして、この日のハイライトがやってきた。85分。
大介のパスを受け、右サイドでフリーになった大岩。 
一歩ボールを前に出して、迷い無く振り切られた右足から、弾丸ミドルが、逆サイドネットに突き刺さる！

ゴール裏も、え？入ったの？って感じで、一瞬遅れてお祭り騒ぎになった感じ。
まさかまさかの2得点。そう言えば、坂本さんのデビューも、こんなド派手な万博の2発だった。
それを髣髴とさせるような、強烈な一撃。
サポもオブラディで大騒ぎだった。

そして、ゲームはそのままに3-0で終了。快勝だった。

ここまでは、得点シーンやレジ、大岩ばかりを書いたけれども。
特筆すべきは、特定のピンチを敢えて書く必要がないくらいに、これといって徳島に決定機を作らせなかったこと。つまるところ、守備が完璧に近いくらいに今日は効いていた。

前線からのチェイスとプレスで相手を自由にさせず、良い形でほとんどボールを持たせなかった。
そして、最終ラインの智と竹内が、その先を脅かさせるようなシーンを許さなかった。
とりわけ智。あれだけ、大岩と武田が上がっていても、彼らと最終ラインが間延びしないようにラインを高く保ち、ボールを受ければ、素晴らしい精度のフィードで、駆け上げる大岩や武田にピタリとボールを合わせていった。

いや、良い選手になったわ、智。
味方になると、こんなに頼もしいのか。
いきなりキャプテンマークだし。

試合前には、新加入の大塚の紹介もあり、ますます競争が熾烈になっている。
今日出たメンバーも、次に出られる保証が何も無い。
荒田、米倉、勇人、渡邊、彼らの怪我が治ったら、居場所はあるんだろうか。
それとも誰が弾かれてしまうのだろうか。

それくらいの厳しさが無ければ、チームは緩んでしまう。
それに、今のところ木山監督は、上手くそれぞれの選手に出番を与えながら、モチベートしているように見える。
競争がチームを成長させる肥やしになり、また新しい期待が次に繋がる。

良い循環に、チームは入り始めたと思う。

だから、後は、それを後押しするサポーターだろう。
去年までは辛いシーズンで、今年へのモチーベーションを保つのは容易じゃなかっただろうけど。
今�
��の天気で、8,000人は。ホントに少なくなったんだなと思うばかり。

兵働に、「8,000人じゃ寂しい」「あと2人ずつ友達を連れてきて」 って言われてるようじゃだめ。
相手に関係なく、まず10,000人目指して、サポも頑張りましょう。

・・・それにしても、大岩のヒーローインタビュー、初々しくて良かったな。
中央大学、卒業おめでとう！