苦しくとも、勝ちきろうとするプレーを 第15節・横浜FC戦

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5月下旬にして、13時キックオフのゲーム。
湿気こそ少ないとは言え、正直、照り付ける太陽と暑さには閉口した。
スタンドですらそうなのだから、いわんやピッチで戦う選手をや。
普段通りのプレーを出来ないのも仕方が無い。

しかしながら、それを割り引いても、今日の試合の内容の乏しさは残念だった。
シュートまで持ち込めず、ゴール前での緊迫感ある場面はわずか。
加えて、最終盤のプレーからは、何が何でも勝とうという気迫が感じられなかった。
もっと活き活きとしたジェフが観たかった。 

ケンペスを出場停止で欠き、森本も不在のこの試合、 彼らの不在をどう補うかが勝利のポイントだった。

先発したのはヤマトだった。
前線は、大塚、ヤマト、井出、谷澤。0トップとも言える布陣。
この時点で、前線にはケンペスのような明確なターゲットのいない。
そうなると、戦い方は自ずと変わってくる。

これまでは、ある程度アバウトなボールをペスに向けて上げるか、
左右からクロスを上げて、それにペスが合わせるという戦い方が出来ていた。
また、ペスは、ポストプレーは苦手ではあるものの、身体は強い。
それなりに基点を作る事が出来る。

そのペスが居ない状況で監督が選択したのは、代わりの選手にペスの役割をさせることではなく、戦い方を変えることだった。即ち、ヤマトが先発した事で、ボールをじっくり繋いで攻める、今年序盤のジェフの戦い方に近い攻撃が展開された。

もちろん、これで上手く行けば、言うことは無い。
けれど、残念ながら良さを発揮する事が出来なかった。

素人目にも懸念されたのは、井出とヤマトを併用することによる、前線のフィジカル不足。どちらかならともかく、身体の細い二人が先発となると、どうしても相手に身体を寄せられた時に劣勢になってしまう。
そうならないために、ボールを回す訳だが、相手もそれは警戒している。
二人がボールを持ったとき、それに合わせて相手DFのウラに抜け出る選手がおらず、そうなると、彼らが持ったボールは、寄せられる前に後ろに戻すことになってしまう。

図らずも、「回すばかりで攻撃の形が見えない」悪い時のジェフが顔を出してしまった。

同じメンバーでも、谷澤がFWに入る形だったら、もう少しウラに抜ける形もあったと思う。けれど、このゲームでは、谷澤はサイドの位置に居て、トップでは無かった。

ウラに抜ける選手が居ない。
サイドから上げようにも、中には選手が居ない。
ならばと、強引に突破を図ろうとするも、そうそう簡単に抜かせてはくれない。
攻め手が無かった。

後半に入っても、状況は変わらず。
交代もなかなかされず、時間が過ぎ、体力が奪われていく。

ようやく78分。兵働から、ナムにスイッチ。
この交代自体は、今後を考えると面白い試みだったものの、久々に出場するナムがゲームに慣れるには時間も短ければ、状況も難しすぎた。

81分に山中、88分に田中を投入し、ウラに抜けられる選手がピッチに立つも、正直、遅きに失した感がある。
加えて、ドローでも良しとするような選手達の動き。

比べてはいけないのかも知れないが、つい先日、なでしこの準決勝を観ていたものだから、ロスタイムが刻々と過ぎているのに、一向にペースアップしないジェフの姿には、正直いらいらした。

結局、見所少なく、0-0のドローで終了。
物足りないし、もっと出来たと思う。
すでに、散々勝ち点を落としているのに、失うものなど無いのに、選手も、ベンチの監督・コーチも、もっと勝つために気持ちを前に出せないものか。
個々の選手では、最初からよく走って成長を見せている大塚や、
コンバートで安定感を増した大岩とキムのように見所はある。

けれど、7本に止まったシュートの数が象徴するように、もっと出来た試合ではあった。
途中で修正できなかった。試合の中で山場も作れなかった。
そしてドローにも関わらず、燃え上がるような悔しさが、もっと伝わって来ないものか。

一歩一歩の成長の積み重ねをするには、より強烈な反骨心が必要なのでは」ないだろうか。
そんなモヤモヤが残る、悔しいスコアレスドローだった。