早いものでプレーオフが終わり、一週間が経とうとしている。
怒涛の連勝、そしてロスタイム弾で掴んだプレーオフ。
ここ数年はなかった、終盤戦の盛り上がりは、本当に楽しかった。

自分も、豊スタに、瑞穂にと、久しぶりに遠征。
昔、仲間達と毎試合のように遠征をしていた頃を思い出す日々だった。
結果は残念だったが、選手も監督も全力を尽くした最後の戦いだった。

記憶が薄れない内に、この一戦を振り返ってみたい。

・・・

一試合、一試合。
この一戦をと積み重ねて、たどり着いたプレーオフ。

楽しみ抜いてやるぞと、心に誓い。
二週間前と同じく、年来のサポ仲間の車で瑞穂の地へ向かった。

最終節の劇的な勝利と、7連勝の勢い。
「今度こそは」の思いと、
「簡単な話ではない」不安とが、
頭の中で何度も交錯しながら迎えた日曜日の朝。

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瑞穂に集った皆の表情は、自分と同じく、期待も不安もあったけれども、
それ以上にこの試合を迎えられた嬉しさに溢れているようだった。
16時からのゲームではあったのだけれども、時間が流れていくのが早い。

13時からは、福岡と東京Vのゲームが始まり、
いきなりの山瀬の強烈なゴールで福岡が先制すると、
長く伸びた待機列のあちこちから、
「(決勝の会場は)北九州か」と気の早い呟きも耳に入ってくる。

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開門し、スタンドへ次々となだれ込む黄色いジェフサポ、
外を見やると、どこまで続いているのかという列が、まだまだ続いていた。
半分まで解放されたゴール裏が、みるみる埋まっていく。
あの「出島」のようなスペースだけで、以前は十二分だったのに。
いったいどこから集まったのか、この馬鹿野郎達は。
おそらくは、関東圏以外のスタジアムで、過去最多のジェフサポが集ったのではなかったろうか。

時間が進み、選手がウォーミングアップに出てくる前、
号令と共に、「WIN BY ALL」のコールで応援が始まる。
名古屋のサポを圧して、木霊が跳ね返って来る、よく声が出ている。

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スタメンは、前節と変わらない。
加えて言うならば、前回の豊田スタジアムでの対戦時とも。
矢田が出られないことも同じ。サブには、北爪が入った。

対する名古屋は、前回は後半から出てきたシモビッチが先発。
それは試合前から予想されていたが、 布陣自体も3バックへ変えてきた。

これに伴って、シモビッチの後ろにシャビエルと、寿人が控える前線になっている。
自分のやり方にこだわる風間監督も、ダブルを喰らい、
かつ前回対戦から日が浅いジェフに対して、対策を施して来た。

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そして、厳しいゲームになった。
2週間前のようにはいかなかった。
簡単にいかないことは想定の内ではあったが、どうにも選手達の動きが固い。

パスが繋がらない。
優也からのフィードが簡単にサイドを割ってしまう。
プレスは厳しくかけている。
けれど、それでも真っ向からボールを回し、或いはシモビッチをシンプルに狙う、
名古屋のやり方に、後手を踏んでしまう。シュートへ持ち込むことが如何せん出来ない。

逆に、名古屋はいくつものチャンスを作る。
シモビッチの強烈なヘッド、比嘉のミスパスを奪われて打たれたシュート、
いずれも一点ものだったが、優也の素晴らしいセーブと、
ぎりぎりで外れていくシュートに救われる。

劣勢。だが、まだ運はあると言い聞かせる。

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前半は、内容的には完全に名古屋のものだった。
しかしそのラストプレー、コーナーキックをラリベイがコースを変えてゴール。
思いがけない先制点、しかも絶好の時間帯。スタンドは大きく勢いづいた。
直後に前半終了。

けれど、残り45分。
まだだ。
まだ何も終わっていないと、何度も呟く。
仲間達と油断をしないよう、声を掛け合う。
絶対に後半が、このまま終わるはずがない。

そして後半。
出だしは良かった。

前に出ざるを得なくなった名古屋を、ジェフはプレスの網で絡め取ってチャンスを作る。
先制点が勢いを呼び、追加点も奪える勢いがあった。

が、「流れ」というものは、気まぐれなものだ。
ワンプレーが試合の趨勢を大きく変えてしまう。
61分、中央から名古屋の田口がドリブルで切れ込み、
それを止められないまま同点弾を許す。

沸き上がる名古屋のスタンドの一方で、ジェフの選手たちが猛抗議をしている。
正直、選手達が何に抗議しているのかは、反対側のゴール裏ではよく分かっていなかった。
名古屋が、ご丁寧にビジョンでハンドのシーンを大映しにしさえしなければ。
火が付いたように、ジェフサポは抗議一色、冷静さを失ってしまった。

本当に、余計なリプレイなんてしないでくれていれば、と思う。
場の空気が一気に悪くなってしまった。

スタンドですらそうなのだから、この一戦に賭けている選手達に、
この判定がどれ程の影響を与えたか、図り知れない。
ジャッジは覆らないのだから、切り替えるべきだったし、選手もスタンドも、
それは心の中では分かっていたと思う。
が、ギリギリの緊張の糸がほつれてしまったか、このプレーを皆引きずってしまった。

そして、その動揺が収まらぬままにミスから失点。
ここで、ジェフを強烈に後押ししていた「流れ」は、ぷっつりと途切れてしまった。

大観衆に。
消えてしまうかも知れない、J1への可能性に。
身体は固く強張り、
頭は冷静さを失ってしまう。

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必死に、同点、逆転を目指してガムシャラな攻撃を仕掛けるものの、
シュートまで持ち込めたシーンも数少ない。
清武、指宿、北爪の交代も功を奏せず、近藤を前線に上げてのパワープレーも、
跳ね返されてしまう。

「流れ」を奪った名古屋は、冷静にボールを回して、トドメの機会を伺っていた。
そして、シモビッチの2得点目で、大勢は決した。

PKで互いに得点を奪い合うものの、結果は2ー4での敗戦。
J1復帰への挑戦は、またも叶わぬものとなってしまった。

遠目にも、選手達が涙に暮れているのがわかる。
コートを深く被った選手達が、スタンドに近づいてくる。
この時、スタンドも、選手達も、全く同じ心持ちだっただろう。
やりきった、けれど届かなかった。

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バクスタ寄りのコーナーで、勇人が気丈にスタンドに拍手を送っている。
その横で、ボムヨンがボロボロと泣いている。
その後ろから、エスナイデル監督がやって来ていた。
ボムヨンを捕まえ、右手でぱあんと、頬を叩き、何事か声をかけ、肩を叩く。
そして、勇人と抱き合い、頭をクシャっと撫でた。
黄色く染まったスタンドを見上げ、
「ごめん」と言うように、両手を挙げ、お辞儀をしたエスナイデル監督。
それだけの仕草だったけれども、言葉はいらない。十分だった。

勝ちたかった。
一人一人の心の内は、それぞれに誰よりも強かったろう。
しかし、結果は結果なんだ。
また、積み上げて掴み取るしかない。

2017年の戦いが終わり、この選手達と戦えるのが最後になってしまったのが悲しい。
が、間違いなく、記憶に残る一戦、記憶に残る一年だった。
新しいジェフを作り上げようと、果敢に挑み、
それを選手たちも、サポーターも、ジェフを取り巻く人達が信じ、
その輝きを垣間見た一年だった。

素晴らしい戦いをしてくれた、選手、監督、スタッフに感謝。
この悔しさを心の中で熱く焦がして、
来年こそ、J1復帰を皆で掴み取ろう。
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