開幕戦への助走 第23回ちばぎんカップ vs柏 ●1-4

開幕戦への助走 第23回ちばぎんカップ vs柏 ●1-4

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ここ数日の寒さが和らぎ、素晴らしいお天気で迎えた第23回ちばぎんカップ。
まずは、この試合を毎年スポンサードしてくれる、企業の皆さんに御礼申し上げたい。

練習試合も含めて、今年ジェフのゲームを観るのは初めて。
主力の多くが残り、また、頼もしい新戦力が加わった。
どんな戦いを見せてくれるのか、この日が楽しみでならなかった。

フクアリは、15,000人に迫るファンで埋まった。
両チームに対する期待値の高さを伺わせる。

対する柏は、4日ほど前に既にACLのプレーオフを戦っている。
快勝したその試合でも出ていた主力の多く名もを連ねている。
メンバーを落とさずにぶつけて来てくれた事に感謝したい。
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ジェフは、4ー3ー3でスタート。
エスナイデル監督はアンカーを置くこの形にこだわりがある。
インテリオールをこなせる選手が多く居ることからも、
今年は、この形からまずスタートするのかも知れない。

そのアンカーには、背番号が18に変わったアンドリューが入り、
その前には矢田と茶島が並ぶ。ウイングには為田と、也真人。
最前線にラリベイ。

ディフェンスラインは、左から高木の増嶋の新加入組が並び、
近藤、山本真と続く。
ゴールキーパーは“ルソ”ことロドリゲス。

試合は、前半と後半で大きく印象が異なる試合に。
前半は昨年の正常進化と言って良い内容で、ハイライン&ハイプレスでプレッシャーをかけ、
高い位置からボールを奪って、手早く攻撃を仕掛ける。
ただし、そこから先のフィニッシュにはなかなか繋がらない。
ラリベイは柏にしっかり抑えられていたし、
去年終盤の2トップのように、船山が中に居ないので、フィニッシャーがそもそも1人しか居ない。

その分、インテリオールの矢田、茶島や、
ウイングの為田、也真人にもっとシュートを撃って欲しかったが、
柏は要所をしっかりと押さえて、ジェフに容易にはシュートを撃たせなかった。

ただ、その中でも存在感を見せたのは、新加入の茶島。
前半頭から、顔見せとばかりにチェイシングで追い込みまくり、
こぼれ球に反応して強烈なミドルシュートを放つなど、活きのいいプレー。
(ちなみにこのミドル、枠に行っていたが、柏GK中村のファインセーブに阻まれた。)

也真人、矢田に茶島が加わった中盤。
ハマると、面白いほどボールが回る。
良い意味で変態が3人に殖えたようで、これからが楽しみ。
そして、時々、也真人と茶島の区別がつかなくなる。
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プレスが機能する傍ら、アンカーの熊谷の存在感が別格。
全体を舵取りしつつ、精度の高いミドルレンジのパスを何本もサイドに供給し、
山本真や、高木を走らせる。
1年前、ふわふわと頼りない存在だったのが、すっかり頼れる軸になっていた。

前半のポゼッションでは、ジェフが上回っていたように思うが、柏は慌てない。
じっくり構えて攻撃をいなし、時折スピードアップして重たい攻撃を食らわせてくる。

ボクシングに例えれば、ジェフはガードの上から軽いパンチを当てているだけ。
柏は、手数は少ないが、繰り出すときにはガードの上からでもダメージが残るパンチを当ててくる。

かろうじてゴールライン上で山本真がクリアしたり、
ポストに救われたりと、決定機は柏の方が多い前半だった。

攻勢にさらされるなか、驚かされたのは、ロドリゲスのプレーぶり。
とにかく、足元が上手い。
「あんな蹴り方で、そんなところにボールを通すのか?」と、
低い弾道のフィードボールをバンバン通していく。
シュートへの反応も早い。
後半4失点したとはいえ、プラスアルファをもたらしてくれる存在との期待感は高まるプレーぶりだった。

前半は、0ー0で折り返し。

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後半、試合後のコメントで少し足に違和感を感じていたというアンドリューがアウト。
急遽、勇人が交代出場。ほとんど準備できないままの投入だったらしい。
フォーメーションは変わらず、そのままアンカーに入る。

ところが、開始から1分も経たずに、柏の早いリスタートから、
伊東→クリスティアーノと繋がれ、失点。
試合後のエスナイデル監督のコメントでは、
ちょっとこのシーンには審判の判定に不満があったようだ。

ただ、ジャッジでペースを乱すのは、プレーオフを思い出してしまう。
まして、プレシーズンマッチ。
引きずらずにこれはこれとして落ち着いてかったが、
前半のようにはプレスがはまらず、完全に柏に押し込まれてしまう。

一つには、アンドリューと勇人のプレースタイルの違いがあるだろう。
勇人では、そのままアンドリューと同じ役割は難しい。
フィジカルを活かして潰しは出来ないし、中距離のパスもそこまでない。
アンドリューは言ってみれば、かつての阿部勇樹のような役回りだ。

対して勇人は、前に飛び出るプレー、周囲との連携でパスコースを限定しつつ、刈り取る守備が持ち味。
つまり、昨年終盤のようにダブルボランチで役割分担してこそ、その持ち味が発揮できる。
エスナイデル監督は、そのままアンカーで後半を通したけれども、適性の再確認になったんじゃなかろうか。

中盤が小さい選手
かりになった事もあって、柏のフィジカルが活かされ、劣勢。

その後、60分過ぎに岡野が投入され、驚いた事に3バックにチェンジ。
今年も色々試すだろうと思っていたけど、ダブルボランチよりも前に3バックとは。
柏の攻勢が続いていた時間帯だったので、機能していたとは言いがたい出来ではあったけど、
それでも、テストという意味では、多いに意味があったのでは。

0ー1の時間帯が長かったゲームは、終盤に立て続けに動く。
75分に大宮から柏に移籍した、瀬川にゴラッソを喰らって失点。
これは相手を褒めるしかない一撃。
さらに、85分にも売りだし中の伊東に決められて0ー3。
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ジェフも途中出場の溝渕が右から思い切りの言い突破を仕掛け、
シュートまで持ち込み、こぼれ球を指宿が詰めて一点を返すものの、
岡野が負傷退場してしまい、10人に。
数的不利から、最後はハモン・ロペスに決められて、最終的には1-4。
今の立ち位置なりの差を見せつけられる結果に。

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しかし、開幕まであと三週間というところで、課題が多く見えたのは、ポジティブに捉えるべき。
とりわけ、昨年の終盤の7連勝と、オフの順調な補強で、ここ数年無いほどに昇格への気運は高まっているものの、楽観や、油断に繋がりかねない空気があったから、それを拭って、厳しいリーグ戦に気持ちを引締める意味で、意味のある敗戦であったと思う。

去年の今頃を思えば、今日のジェフは、格段に進歩している。
目指すサッカーがしっかり見えた状態で細部を詰めているところ。
一昨日までのキャンプで追い込んだフィジカルが戻り、開幕までに行われるだろういくつかの練習試合で、今日出た課題に取り組んでいけば、良い形で開幕を迎えられるはず。

この日出なかった選手も含めて、競争はまだまだ続く。
開幕戦には、より完成度の高いチームが見られるだとう。
それが、今から楽しみだ。