2008年発行と10年前の本ですが、
今更ながら西部さんの『戦術クロニクル〜トータルフットボールとは何か?』を読んでみました。

昨年6月に、footballistaに『戦術リストランテ』WEB出張版として掲載されていた、
「エスナイデルのジェフ千葉は、なぜ支配率70%でも負けが込むのか。」に、
「ちょっとバージョンの古いトータルフットボール」と言う記述があり、
一年間ジェフのサッカーを観た後でなら、その意味をもう少し深められるんじゃないかと思って。

案の定、最初の章で触れられている74年オランダ代表の取り組みから、
2章で触れられているサッキ監督のACミランの“敵陣でのカテナチオ”、
4章のクライフ監督の攻撃的なチーム作りあたりを流れで追っていくと、

なるほど、エスナイデル監督が目指そうとしているサッカーの源流と、
直面している課題(守備の穴や、攻撃の最後が「個」のアイデアに任される比率が大きいところ)が、
思い出されて、いちいち納得するところが大でした。

この本の前に、湯浅健二さんの「サッカー監督という仕事」も読み返していたので、
そこに書かれていたトルシエジャパンのチーム作りも去年のジェフに通じるところがあって、
(フラット3のラインを、意識的に強烈に高くして、チームに意識を浸透させる)
難しい戦術を理解させるには、
その難しい戦術を小分けにして、そして極端に分かり易くして落とし込まないと、
選手は理解できないものなんだなと思いました。

去年のジェフ、序盤から中盤は結果が出ていなかったので、賛否両論ありました。
それも、当然だったと思います。
一方で、なんとなく「ハイライン・ハイプレスが機能したら、ずっと主導権を持って攻撃できるぞ」と、サポーターも、選手もイメージはしてたんじゃないでしょうか。ところが、実際やってみると、プレスの体力が持たなかったり、裏を取られたり、攻撃が手詰まりになったり。なかなか結果が出ない。

ただ、何とか終盤戦にようやく形が出来つつあったところで、連勝と言う結果が出て、選手も「ああやっぱり」と確信と、自信を得られたんじゃないかと思います。
(間に合って本当に良かった。。。)

と、なると、今年はそこから先がどうなるかですが、本の方では、
エスナイデル監督も所属していたレアルの「ギャラクティコ」や、
ドログバという反則FWの居るモウリーニョのチェルシー、
そしてランパードや、ジェラードのようなハードワークの出来るMFの台頭などに触れつつ、系譜の先を描いています。

もっとも、本は10年前のもので、我々はその後の10年でどう言うクラブや選手が、
欧州やクラブで活躍してきたかを既に知っているわけで、この本にはない現在も加味しながら、
エスナイデル監督が、今年、どう言うサッカーを目指しているかを想像してみるのも、
今年のジェフをより楽しく観る事に繋がるんじゃないでしょうか。

ノイアーみたいな化物キーパーが世界には居たりして、
フィールドプレーヤーは「11人」と言う時代には足を突っ込んでいるように思いますし。

かつて、オシム御大が、
「目指しているのはトータルフットボールだ。しかし、それは永遠に実現できないが」 
と仰いましたが、その言葉の通り、今のジェフもまた“トータルフットボール”の一つの進化形を求めて、戦っていると考えると楽しくなりますね。リスクを取らないサッカーには、苛立ちを覚えてしまうジェフサポの性としては(笑)

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