前節、大宮戦の敗戦、
水曜日、天皇杯での大敗。
殺人的な暑さに見舞われたフクアリには、嫌な空気が漂っていた。

成績に対する不満、確度の分からない情報への不安、
先の見えない状況に対する怒りや諦念。


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バス迎えを行い、選手が姿を見せれば、必死の声援を注ぐ。
漂う空気を振り払おうと、ただの一戦ではない切実さが、そこにある。

この試合のテーマは、水曜日の大敗の中で監督や選手達が掴んだと言う「手応え」を、
試合の中で表現し、そして勝てるかどうかと言う事だった。
結果だけでなく、内容も強く問われる試合。

スタメンは普段よりも早く、キックオフの2時間15分前には発表になった。
エスナイデル監督の選択は、3-4-3。
天皇杯のスタメンを強く意識させるメンバーだった。


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ラリベイ、エベルトが先発し、サリーナスがサブに入っているため、
ディエゴは枠にあぶれてメンバー外。

一見して、両翼の裏が穴だ。
特に左はスピードの無い乾とエベルトが並んでおり、カバーリングが必須。
右も、茶島と、岡野では、容易に崩されかねないだけでなく、
ファウルからのPKや退場が懸念される。

ボランチには小島が入り、アンドリューと並ぶ。
大宮戦の前半で下がった矢田は、やはり怪我だったのだろうか。

このメンバーでハイライン+ハイプレス+ハイスピードアタックが90分間出来るか?
が、試合は開始から意外な様相を見せ、時間帯に寄って、そして両監督の采配によって、
目まぐるしく展開も得点も変わるゲームとなってしまった。


キックオフと共に、互いに主導権を握ろうと、
暑さにも関わらず、激しくせめぎ合う両チーム。
ボールを奪った金沢が、いきなりロングシュートを見せたのは、ハイラインを敷こうとするジェフと、佐藤優也への牽制球のようなものだろう。

5分を経過して、ペースを握りつつあったのは金沢だった。
運動量、イーブンボールへの出足で優り、ジェフの機先を制しては、予想通り両翼の裏にボールを送り、そこからゴールに迫る。これが、悲しいかな実に効果的で、チャンスを幾度も作られ、13分には左の裏を衝かれ、そこから細かいパスをゴールまで繋がれてしまった。

そこからしばらくは酷いものだった。
あまりの動揺ぶりに、スタンドがざわめき、普段ならバックパスに文句の声も飛びそうなところ、「いいよ!落ち着いて!時間かけろ!」と、動揺を何とか抑えようと、悲鳴のような声が飛ぶ。

さらに状況に拍車をかけていたのは、岡野のプレーぶりだった。
何らかのアクシデントが起きていたのではないだろうか?
明らかにプレーぶりがおかしい。
ボールに寄せられないし、ぼーっとしてしまっていて、熱中症に侵されているかのよう。
少なくとも「試合に出してはいけない」コンディションに見えた。
スタメン選びの時点で、大きなミスをチームとして犯してしまったのだ。

岡野は、ゲームに入れないまま、ベンチからの指示でストッパーではなく、サイドバック、それもえらく高い位置に移動させられ、ロクにプレーにも絡めず。
35分に交代するまでジェフは、1人少ないメンバーで戦わされているかのようだった。


ここまでが、1つ目のターン。


岡野が交代し、山本真希がピッチに送り込まれる。
ここで、早くも1つ目の枠を使わなくてはいけなかったのは、本当に痛い。

システムは、4-5-1のダブルボランチ。船山をトップ下に置く「船山システム」になり、右には山本真希と茶島が並び、左には乾と為田が縦に並ぶ。そこにプレーエリアを限定されずに膨大な運動量で船山が絡んでくるので、数的優位がそこかしこの前線で作られる。

ジェフにとっては、ここからが本来のキックオフ。
流れは大きく変わった。

さらに、前半ほとんど最後のプレーで同点に追いつく事すらできた。
船山のCK、増嶋の頭と繋いで、ラリベイの右足!
流れを変え、スコアも振り出しに戻して、サポ側に攻める後半を迎える事が出来た。

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そして、後半も前半に掴んだ流れのままに、怒涛のように襲い掛かる。
船山がリンクマンとなって、両翼をサポートし、そこに距離感良く、小島とアンドリューも絡む。ラリベイも、ターゲットとしてボールを散らしつつ、チェイスもこなして鬼気迫る戦いぶり。後半が始まってすぐは、ボールも良く拾うことが出来て、ハーフコートマッチとも言える、攻勢を仕掛ける事が出来た

その中で得たセットプレー。
船山のCKから、エベルト!さらに増嶋!
立て続けにゴールを奪い、さらにジェフペースは続く、猛烈な暑さの中で、スタンドの熱気も高まり、さらに、もっと、ゴールを奪える。この流れならば行く事ができるぞと、信じられる空気が、スタンドを包んでいた。

山本真希、茶島が絡んだ右サイド、一度マサキが上げたボールが阻まれ、
戻ってきたボールを、丁寧にフリーの小島へ−−−。
トドメとなるはずのシュートは、宇宙の彼方に飛んで行った。

ここでジェフは、2人目のカードを切る。
疲労が見えていた、茶島に代えて、サリーナス。


ここまでが2つ目のターン。


サリーナスの投入と共に、システムが再度変更される。
アンドリューをアンカーに置き、その前に小島とサリーナスを置く、4-3-3へ。
改めて文字に起こすと、悪い予感しかしない。
これで、守りが上手くいった事など無いのだから。

この時、金沢は56分にマラニョン、68分に清原と、スピードのある選手2人を投入し、既に反撃の布石を打っていた。ジェフは、後半最後まで走りきるほどの体力は無い。これまでの試合でのジェフの失点パターンを見れば、誰でもこう言うカードを切るだろう。

その、素人でも分かるような罠に、ものの見事に嵌るのが悲しくもあり、
今のジェフの問題の根深さでもある。

「ホームで」「2点のリード」を守りきる約束事もメンタルも無いのだ。

少し引いて、前に出てくる相手の背後を船山、為田、サリーナスあたりで衝く。
それだけでも相手は及び腰になっただろうし。
点差、時間帯に応じた戦いようはあっただろう。

だがジェフは、守備で機能した事のないシステムにわざわざ変えて、
金沢の攻勢を呼び込んでしまった。

オウンゴールしかり、マラニョンのゴールしかり。
一瞬何が起こったのかわからない、電光石火のゴールは、
そういえば先週も大前がそんな間合いでのゴールを決めていた、
デジャヴが蘇るシーンだった。


ロスタイム、PKがどんな状況だったのか遠くて良く分からなかった。
が、そもそも「ホームで」「2点のリード」を守り切れず、
結局FW近藤の特攻作戦を採らざるを得ず、それでも攻めきれずに、
逆にCKを与えてしまった時点で、こう言う結末も覚悟しなくてはならなかったのだ。


試合後、審判に対しエスナイデル監督が抗議で退席処分を喰らい、
スタンドからはブーイングが起こっていたけれど、ハッキリ言って見苦しい。
負けたのは、自分達の責任だろう。

スタメン選びを誤り、無駄な交代で戦術の幅を狭め、
過去に機能しなかったシステムへの変更で、自ら流れを手放す。

ホームフクアリでの三連戦で、13失点。
今後もあるか分からない大失態。
全く、守備が構築できていない。

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この酷暑の中、選手達が勝利を掴もうと、必死で戦っていたのは分かる。
それだけに、ブーイングも混じるスタンドで彼らを迎えねばならないのが悲しくてならなかった。


監督が退席になってしまった事で、
「やりたいサッカーが出来たのか?」をこの試合後に聞く機会は永遠に失われてしまった。
恐らく、2つ目のターンは、それに近いものだったろう。

じゃあ、何故、岡野のコンデシションを見極める事が試合前に出来なかったのか。
4-5-1の「船山システム」にした方が、あれほどハマるのに、
最初から(いや、昨年分かっているのだから、シーズン最初からか)、
チョイスできなかったのか。

何で、機能しないと何度も見てきているアンカーに、
逃げ切りの場面で拘って要らぬリスクを犯したのか。
何を狙っての交代、システム変更だったのか。。。

この試合は、一体何だったのか。
何故、勝てなかったのか。


この状況に対し、クラブから何ら発信が無いのがとても悲しい。
自分が知らないだけならば、教えて欲しい。
ジェフは今、どこに向かおうとしているのか。
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