プレーオフで敗退した昨シーズン。
そこに至るまでの7連勝、最後まで諦めない戦いぶり、
開幕戦は、アウェイ・味スタでのヴェルディ戦。
両チームともに昨年プレーオフに進み、そして敗退した。
オリジナル10同士、今年こそはと言う思いはとりわけ強い。
勝敗に関わらず、今季を通じてまた昇格を争うことになるだろう。
味スタには、4000人を超えるジェフサポが集結。
開幕戦の勝利を強く願ったが、、、試合は思いもよらぬ展開を見せ、
開幕スタメン、ジェフは事前の予想通りに4-3-3を選択。
アンカーの熊谷の前に、矢田と茶島が並び、左に為田、右に也真人、
トップにはラリベイ。
対するヴェルディも布陣は同様の4-3-3。
システム的にはミラーゲームだったが、お互いのアプローチは異なる。
ジェフはハイラインとハイプレス。
ただし、ラインの高さは、幾分調整され、極端に高いシーンばかりでは無い。
ヴェルディは、前線を走らせて、序盤からその裏を積極的に突いて来た。
対応が後手になる。
ヴェルディの狙い通りに、裏に抜けたボールが、そのままピンチになる。
ジェフも、ボールを奪い返しては、アンドリューが深い位置から、
糸を引くような素晴らしいフィードをサイドへちらし、
そこからは細かいパスを繋いで攻め立ててはいたが、なかなかシュートへ持ち込めない。
ラリベイさえ抑えていれば、脅威は半減するからだ。
むしろ、ボールを奪われた後、奪い返す為のプレスがハマりきらず、
ボールを前に送られてしまう。
シンプルではあるけれども、
意図を持ったヴェルディの攻撃が、カウンターでずしりと響く。
そして。
前半9分、裏に抜けたドウグラスを増嶋が後ろから引っ掛けてしまい、
得点機会阻止で一発退場を喰らってしまった。
残り80分以上を10人対11人。
課題を修正する前に、ハンディを負ってしまった。
このPKに繋がるパスを出したのが、ヴェルディのルーキー藤本。
素晴らしいパスだった。
今後、覚えておかねばならない名前になった。
そこから10分間は、混乱するジェフをヴェルディが攻める展開。
12分には、ルーキー鳥海が、也真人に代わって出場する。
不完全燃焼の也真人には残念だったが、
難しい場面での登場の鳥海は、期待に応えてよく対応していた。
ジェフは、システムを4ー4ー1に整理する。
ドイスボランチに、アンドリューと矢田旭が並び、
左に為田、右に茶島。トップにラリベイ。
1人少なくなったものの、キャンプを通じて磨き上げて来た運動量が、
それと感じさせないゲーム運びに繋がる。
20分過ぎからは、前半が終わるまで、ボールキープ率はジェフが多くなったほど。
為田がクロスにダイレクトで合わせてあわやというシーンを作り、スタンドを沸かせる。
しかし、スコアは動かせずに前半終了。
1人多いヴェルディが、ロティーナ監督が、このままと言う事はやはりなかった。
気をつけなくてはならなかった後半立ち上がり。
クロスボールの競り合いで近藤が後手を踏んでしまい、
頭上はるか上を、ドウグラスに制されてしまった。
強烈なヘッドが、ロドリゲスの手の上をかすめ、
バーを叩いて、ネットを揺らす。
勝ち点を持ち帰るためには、さらに前に出るしかない。
ジェフの攻め手は、左の為田の突破力に頼るところが大きかったが、
エスナイデル監督は、全く異なることを考えていた。
55分、為田に代えて、指宿を投入。
最初、「えっ」と思った。
ツインタワーにするにしても、クロスを上げる可能性の高い為田を下げては。
誰が、クロスを前線に送るのかと。
が、指宿が投入されてしばらく、どうもツインタワーでは無いと気付く。
ラリベイよりも一列下がった位置に構えて、ボールをキープし、
時に強引にシュートへ持ち込み、あるいはタメてからパスを出そうとする指宿。
大きな身体を活かし、フィジカルで劣勢に立っていた中盤を支えようとしている。
その指宿の投入効果もあって、ジェフは追加点は許さずに終盤まで時計を進めていた。
チャンスはなかなか訪れなかったが、終盤、ロドリゲスのロングフィードから繋いで、
ワンタッチで右の茶島に出し、そこからのクロスに飛び込んだのはラリベイ!
エースの一撃は、かつての巻を髣髴とさせるような、身体全体を投げ出す、
気持ちが伝わる泥臭い一撃だった。
エンブレムを掴み、叩き、吼えるラリベイに、ベンチに下がった為田も駆け寄り、祝福する。
ただ、ちょっと喜び過ぎとも思った。
まだ残り時間がある、どちらに転ぶかわからない。
まして、ここはアウェイだ。
そう危惧していた途端、ヴェルディにコーナーキックから勝ち越し点を決められてしまった。
10人で戦い、同点に持ち込めたら、しめたものだったが、
終盤に追いつきながら、再び勝ち越されてしまったのはいただけない。
最後まで必死に戦ったが、再び得点が動くことはなく、
不完全燃焼のゲームになってしまった。
試合後にエスナイデル監督が、失望を露わにしていたのも、もっともだ。
前半10分までのプレスは緩すぎた。
システムの問題ではなく、相手が裏ねらいをしているのが分かっていたのに、
相手に好きなように蹴らせてしまった。ヴェルディの攻撃はそれしか出来なかったのに、
それを許してしまった。増嶋の退場は、審判のせいでも、偶然でもなく、必然だった。
それは、修正しなくてはならない。
一方で、磨きをかけたはずの攻撃は、片鱗しか見せることが出来なかった。
今のジェフは、再び4-3-3に取り組んでいる。
昨年の連勝時の4-4-1-1の方が良いと言う意見もサポの中にはあるだろうけれども、
チームは、より上の段階に至る為に、4-3-3をチョイスしている。
それが完成した暁には、というのは、
去年のハイプレス・ハイラインが始まった頃と同じ、
信じ抜いてこそ、初めて先が見えるものだと思う。
次節、11人で戦い、也真人が戻り、この試合の反省を活かしていけば、
結果は自ずから出てくるはず。
大切な一試合を失ったことは痛いけれども、切り替えて前を向けばいい。
次節も難敵、長谷部さんの水戸。
一筋縄ではいかなくとも、ホーム開幕、絶対に勝って終わりたい。
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